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東洋医学的な考え方で妊娠を説明させていただきます。

東洋医学では私たちのカラダをまるごと一つのものとして考えます。
そして、よく診ていくための観点として、五臓六腑という概念を用いています。
また、生殖器系を考えていくときに中心となる臓腑、経絡もあります。

腎、三焦、子宮、一源三岐である衝脉、任脉、督脉などです。
その経絡や臓腑を補ったり調整したりするということは、ひとくくりの生命を存在させる五藏六腑すべてから考えていかなければならないということなのです。

私は人間を、大地に根ざし、天空に向かって手を広げる1本の「木」であると考えています。

しっかりと大地(脾腎)に根を張り、健やかな(肝)木が暢びやかにたちあがることによって、力強く天空(心肺)に手を広げることが出来るのです。

この暢びやかなな肝は、『やる気、生きる意志』でもあります。
全身の気血の流れを調整し、生きる意思をもたせるものが肝気の力です。
どっしりとした肥沃な大地(脾腎)に根ざすことで、充分に暢びやかになり、しっかりと力強く天空に手を広げることができるのです。

ところが現代人は、暢びやかなやる気、生きる意思を支える大地が痩せていることが多々あります。
土台となる脾腎の力が弱いのです。

脾腎の力とは、胃腸の力(脾)と、土台の力(腎気)です。

痩せた大地に育つ肝木は、身体の上部である天空に助けをもとめます。
人間においては、身体がキーキーとヒステリー状態となり、他者に助けをもとめて泣き叫んでいる状態です。
その必死さによって、熱を生じ、その熱が他の臟や生命力を圧迫してしまいます。

この身体が、キーキーした状態(肝気鬱結)によって不妊に陥っている人が沢山いるのです。
ストレスが不妊にはよくないといいますが、ストレスとは、ご自身の内なる問題である場合が多く存ります。

大地を養い、暢びやかな心身であることが不妊治療の要諦となります。
また全身の血を藏することにも、肝は関与しています。
藏するというのは蓄え貯蔵し、全身の血のめぐりを調整するという意味です。

妊娠したいという女性にとって、血が健やかにあり、全身によくめぐるように調摂されてい
ることは大事なことです。女性の生理の問題を『血の道』などと表現することがありますが、肝と関係の深い言葉ですね。

また、脾腎の大地としてたとえられる腎は身体の中心、生命力の土台です。
子宮と直接つながっています。
人体の重心である最も深い位置にあります。

そして東洋医学では生命そのものの発祥の中心とも考えるので、先天の本とも呼ばれています。
女性の腎と直接つながるこの子宮の力こそは、次なる生命を生み出す扉です。

…腎と子宮、一源三岐である衝脉、任脉、督脉

人間が日々生きていくには、五臓の働きが必要です。
その上で女性には次の世代を生み出すための仕組みを担い、身体にそのシステムを備えています。
これが、女子胞と呼ばれる子宮を中心とする女性の生理の特徴です。

女子胞(子宮)に直接的に係わるのは生命力の土台である腎です。
腎の力は生殖の力を左右する大きなものです。

人間には、生命力の余力を蓄えるシステムがあります。
一源三岐と呼ばれる衝脉、任脉、督脉はこの余力を蓄えるシステムであり、この一源三岐の経絡は女性においては直接的に子宮に注ぎ入ります。

生殖を支える大いなるエネルギーとなるわけです。

生理がおこるということは、腎気(身体の土台の力、下焦の力、際下丹田の力)の主導のもと、肝気によって、血流が調整され、脾によって、気血が作られ、余力である奇経の衝任脉が充満して、そのエネルギーが子宮に注ぎ入るということです。
このリズムある流れは、腎気、肝気、脾気、衝任脉という沢山の臓腑や経絡が全体として
調和のある動きをしている結果としてはぐくまれ、妊娠の出来るからだのありようにもなるのです。

..妊娠はシステムが順調におこること

妊娠は、腎気の主導のもと、衝任脈の流れがよくなり、『妊娠に致る一連のシステムがスムーズにおこる』ことによって成立します。

下腹に力をつけ、気の欝滞を取り除き、気持ちよく卵管采が動いてくれるようにという東洋医学的なアプローチは効果的です。