西洋医学的不妊治療

『不妊の定義』

『不妊』とは?

赤ちゃんが欲しいと思っているのに授からない状態

不妊の6大検査

基礎体温のチェック
経膣超音波診断
精液検査
子宮卵管造影(HSG)
頚管粘液の検査
フーナーテスト(性交後テスト

→決定的な要因がないか押さえておく

1)基礎体温の測定
基礎体温は、体のホルモン状態を中心にコンディションを知る、一番わかりやすくて、手軽で、最も基本的なデータです。

毎朝目覚めたときに、起き上がらない状態で測定する体温のことで、「基礎体温表」などに記入してグラフ化していきます。基礎体温表は、パソコンなどでダウンロードする一ヶ月ごとのタイプよりも、薬局などで購入する、半年ほど一覧できるタイプのものが、わかりやすいので、おすすめです。

基礎体温には低温相と高温相があり、それぞれが2週間づつのサイクルで交代していくのが、理想的な排卵周期となります。

低温相と高温相の体温の差は0.3℃以上で正常といえます。生理周期が規則正しい場合でしたら、数周期の基礎体温をチェックすることによって排卵日を予測をし、妊娠の確率が高い日に性交のタイミングをとることができます。

また、高温期が10日未満の場合は、黄体機能不全の有無を究明するのにも役立ちます。

参考:黄体機能不然の診断基準(不妊治療ガイダンスより)
 高温相持続 9日以内
 高低の温度差 0.3度以内
 子宮内膜の熱さ 8ミリ以内
 プロゲステロン 10ng/ml未満

2)経膣超音波診断
不妊治療で最も多く使われる診断法の1つですね。毎回の内診でも必ずといってよいほど利用されている場合も多いと思いますので、なじみがある方も多いと思います。

膣内に親指程度の太さの超音波プロープ(超音波断層装置)を挿入し子宮内膜や卵胞をテレビモニターに映し出してその様子を観察します。卵胞の大きさなどから、排卵日が推定できるため、以後のさまざまな検査の判断材料として利用されています。また、経膣超音波診断により子宮筋腫、子宮腺筋症、卵巣嚢腫などの診断もされることがあります。

3)精液検査
精液検査男性不妊は不妊原因の約40%と高い確率を占めているので、精液検査はとても重要です。

実際には、精液を採取した後、精子の数、運動の状態、その形などを顕微鏡を使って詳しく調べます。

WHOの基準があります(1999年)
 精液量 2ml以上
 精子濃度 1ml中に2000万個以上
 精子運動率 前進運動精子50%以上、または高速直進運動精子25%以上
 正常形態精子 30%以上  
 生存率 50%以上
 白血球 1ml中に100万個未満
 イムノビーズテスト 50%未満の結合性
 MRAテスト 50%未満の結合性

精液検査、いやがる男性も多いですね。

以前に、女性の検査ばかり進み、タイミングの治療などもしていたのに、なかなか妊娠せず、調べてみたところ、重度の男性不妊であったケースがありました。
 
精液検査をいやがるご主人と大げんかになり、不妊治療自体が進まなくなってしまったというお悩みを受けたことがあります。男性は精神的に案外デリケートな方が多く、いやがるものを無理矢理とか、『男性も検査を受けるのが当たり前』と強く出て、大げんかというのも、本末転倒な出来事だと思います。

ただ、万が一、精子が一匹もいなかったり、精子が自然妊娠レベルに達していなければ女性側だけの検査や治療が意味のないことになりますね。どうしても検査をいやがるご主人の場合、フーナー検査などで精子がある程度良好な状態で存在することだけは確認しておくことが、精液検査をいやがるご主人を持った方の初めの一歩ではないかと思います。

4)子宮卵管造影(HSG)
生理あとにおこなう、X線による検査です。超音波下でおこなわれることもあります。卵管の通過性をみておくことは、自然妊娠の可能性について大きな答えが得られますので、必要不可欠な検査です。また、子宮の形状やポリープの有無、卵管周囲の癒着の有無など多くの情報が得られます。場合によっては、通水テストや通気テストで代用することもあるようですが、子宮卵管造影の方が診断性が優れているといわれています。

また、この検査のあとに、妊娠するケースもあるなど、検査と治療を兼ねていると言われる場合もあります。

私はいままで、卵管造影を2回、3回と行い、完全閉塞しているので、IVF-ET(体外受精ー胚移植)受精しか選択肢はありませんと言われ、『体外受精のための身体作り』をしている間に、自然妊娠なさったという症例を複数経験しています。

鍼灸の初診から数ヶ月で自然妊娠され、無事にご出産なさいました。緊張しやすい人は、普段から卵管が閉塞した状態になりがちだったり、造影の時により緊張して閉塞状態になるのでしょうか? 完全に閉塞しているかどうかというのは、腹腔鏡を用いて、染料を流し実際に通してみると言う方法が用いられるようです。

『卵管閉塞』というと、手術療法や、IVF-ET(体外受精ー胚移植)しかないと言われます。実際に、時間を無駄にしないためにも、それが最良の選択肢である場合がほとんどなのでしょう。しかしながら、時間が許せば、身体作りをかねて、IVF-ETの前に半年ほど鍼灸治療を受けてみて下さい。ポロッと妊娠することがあるかもしれませんし、身体作りはその後のIVF-ETにきっと役立つことでしょう。

5)頚管粘液の検査
精子は、子宮頚管を通り、子宮腔内まで達していきます。頚管粘液は精子の通り道として重要な役割を果たすため、量や性状とても大切であると考えられています。またプロゲステロンが上昇すると頚管粘液の量が急激に減少します。プロゲステロンは基礎体温を上昇させますので、体温があがってきたら、頚管粘液も減少し、自然妊娠しずらくなるとも考えられます。しかしながら、面白い表があります。(不妊治療ガイダンス65ページより)

基礎体温の最終低温日を0とします。

-1 頚管粘液のピーク
0 基礎体温最終低温日
1 20%が排卵
2 30%が排卵(排卵のピーク)
3 20%が排卵
4 15%が排卵

つまり、基礎体温の最終低温日の前日が頚管粘液のピークです。そして、ピークから3日後が排卵のピークであり、4日後でも20%も排卵するということです。

『伸びるおりものが出たから排卵だ、タイミングだ!』とか、『基礎体温が一番下がったから排卵』というお声をよく伺うのですが、だいぶ違いますね。最終低温日から4日後に排卵というのは、イメージを持っていなかった方も多いと思います。

『伸びるおりものがでて4日後が妊娠しやすい』という言葉を聞いたことがありますが、これらのことをおっしゃっているのかと思いました。(私は4日後よりも3日後ぐらいかなと思いますが、とにかく、伸びるおりものがでて直ぐではないということですね)。

また、排卵検査薬はLHのサージをチェックすることができます。LHはサージのはじまりから1日半ほどしてピークになり、1日ほどして卵胞が破裂すると言われています。

ご自身で基礎体温を計測し、体温表に頚管粘液の状態と、排卵検査薬の情報を書き込んでみましょう。より正確にご自身の排卵タイミングがつかめるのではないかと思います。

6)フーナーテスト
医師から排卵日頃を指導してもらいタイミングをとり、性交後の頚管粘液に精子が進入しているかどうかを調べる検査です。

運動性のよい精子が沢山進入していれば、妊娠の可能性が高いと考えられます。

頚管粘液の中に見られる精子は良好形態のものが多く、その運動性も高いことが確認されているからです。逆にいえば、フーナー検査が良好なのに、なかなか妊娠しないということは、卵管などの要因(卵管の閉塞や、キャッチアップ障害など)がある可能性が高いとも判断できます。

精子の進入があっても、運動性が悪い場合は、抗精子抗体がある可能性が考えられる場合があります。

精子の状態は日によってかなり違いますので、複数回行うことが必要です。

また、子供のいる夫婦の場合でも、20%ほどはフーナー検査が不良であったというデーターもあります。

フーナーテストの判断基準
(400倍視野当たりの運動精子数で判定)

優 15個以上(妊娠率が高い)
良 14-10個(妊娠が充分期待できる)
可 5-9個 (妊娠が期待できる)
不可 4個以下(妊娠率は低い)