EBMに基づく不育症診療の実際 杉俊隆著を拝読していると問診の大切さが書かれています。

過去の妊娠歴について

 流産の状況について聞く。化学流産なのか、胎芽が確認できなかった流産なお可、心拍確認したものの流産になったのかなどなど。
また、流産時の超音波などで大河の大きさを確認し、超音波上では何週の流産であったのかを確認することが重要と。
特に妊娠10週以上の原因不明子宮内胎児死亡は一度でもあれば抗リン脂質抗体症候群の診断基準を満たすこともあり重要となるが胎児の大きさが10週以上であったことを確認することが大切であるとしています。

子宮内胎児死亡(IUFD)は実際に胎児死亡の起きた時期の特定と、IUGR(子宮内胎児発達遅延)の有無が重要と。
特に妊娠中毒症の合併、常位胎盤早期剥離、戴眼の著名な血栓、胎盤機能による羊水過少、IUGRなどを伴うIUFDは母体の血液凝固系の異常を疑う必要があり、無事正常分娩した場合でも低体重児でなかったか、妊娠高血圧症候群でなかったかなど聞くべきであると。

ある方が、第一子の妊娠の時の様子を話してくれたときに、胎児ドッグを受診し、赤ちゃんの問題はないが、子宮の血流が悪いので、不育症で使う薬を飲んだ方がよいよとアドバイスされたというお話しを思い出しました。この方は服薬せず、結局妊娠中毒症になり血圧があがり早期での出産になってしまったと言うことです。なぜ薬を飲まなかったんですか?と伺うと、産科受診した折に『そういった薬は出せない』と言われ、そのままになってしまったとのことでした。産科のドクター、胎児ドックのドクターと見解がわかれ、結局こういった経緯になったのですが、第二子の妊娠前に一度検査をうけておくことを私はお勧めしました。

既往歴としてあげられているのは、
血栓症、自己免疫疾患の有無、深部静脈血栓、全身性ループスエリトマトーデスなどのリウマチまたは膠原病、バセドウ病、橋本病などの甲状腺疾患、突発性血小板減少性紫斑病(ITP)などなど。
自己免疫疾患のある人は、抗リン脂質抗体など流産の原因になり得る自己抗体をもっている可能性もあり注意が必要と。

また家族歴も聞くべきかと。特に両親に心筋梗塞、狭心症、脳血栓、脳梗塞がないか具体的に聞くとよい。
これは確かにそのとおりで、血栓症と言っても、脳梗塞が血栓症とぱっと浮かばないケースは多々あります。

thrombophiliaってなんだろうと調べると、血栓形成傾向と出てきました。
英語辞書で、概念ツリーをみると、

・血液リンパ系疾患 Hemic and Lymphatic Disease
・・血液疾患 Hematologic Disease
・・・血栓形成傾向 Thrombophilia
・・・・活性化プロテインC抵抗性 Activated Protein C Resistance
・・・・アンチトロンビンIII欠乏症 Antithrombin III Deficiency
・・・・播種性血管内凝固 Disseminated Intravascular Coagulation
・・・・プロテインC欠乏症 Protein C Deficiency
・・・・プロテインS欠乏症 Protein S Deficiency
・・・・血栓性血小板減少性紫斑病 Thrombotic Thrombocytopenic Purpura

あー見事にあれこれの言葉が出てきてびっくり。いやびっくりすることなくて当たり前ですね。
不育症の問題、わかりにくいのに漠然と考えておりました。
もう少し丁寧に学んで行きたい思います。

参考文献
☆EBMに基づく不育症診療の実際 杉俊隆著
☆不育症学級 杉俊隆著