2009年10月4日に徳島県鍼灸師会のお招きで講演をさせていただきました。

『不妊と鍼灸治療』一般講演、専門家向け講演
 『不妊!大作戦』ビッグママ治療室 米山 章子
 徳島市立文化センター会議室(徳島県徳島市)

『赤ちゃんが欲しい!』と思ったときに、『さて、何をすれば?何を調べれば?』と沢山の情報を前に迷った方は多いと思います。

ビッグママ治療室は、東洋医学を実践する不妊症専門鍼灸院です。
日々、皆さんのお話を伺い、ご相談に乗り、身体の手入れをさせていただいているうちに、一番大切なのは、『情報を正しく知り、自分の現状を理解し判断する』ことであると痛感しています。

皆さんが、『情報を正しく知り、自分の現状を理解し判断する』ために、この.「不妊!大作戦」ー攻めと底上げの二重作戦が少しでもお役に立てれば嬉しいです。

なお、当サイトの情報は、管理人が学んだことを中心に記載してあります。
内容については、なんら責任を負うものではありませんので、利用に関しては自己責任でお願いいたします。

(1)東洋医学で考える不妊、妊娠

20年前の不妊から、三つのキーワード、東洋医学で五臓を考える

私が「不妊」という言葉と初めてであったのは、23年ほど前の自分自身の妊娠出産体験のときです。
マタニティースイミングで出会った妊婦友達(のちにママ友達)が、長らく不妊治療をしていて35才のときに病院の先生が「治療をおしまいにしましょう」といわれたのよなんてお話をしてくださいました。

そして彼女はコタツでなきにないたら、ぽこっと妊娠。
そして翌年もぽこっと妊娠。
20代の私には30代後半の彼女も年子のママで沢山一緒に遊びました(^_^)。

私は内心「大学病院の先生が治療終了宣言をするほどの状況だったのに、年子がポンポンと生まれるのだから不妊って不思議だなあ」と思っていました。

そしていま不妊治療を皆さんにさせて頂く立場になると、このエピソードからいろいろ考えることがあります。
大きくは3つのキーワードとして考えてみました。

それは、(1)ひとつには35才というキーワード。(2)お医者さんがおしまいを宣言してくれたこと。(3)泣きに泣いたらぽこっと妊娠、連続して妊娠ということです。

(1)35才というキーワードは自然妊娠を狙う限界なんだと思います。

いままで一度も妊娠したことがない人の自然妊娠を狙っての人工授精までの治療の限界。IVF-ETがなかったときは、ここが限界点だったんですね。そしていま私たちにこの限界を超えさせてくれたのがIVF-ET(体外受精―胚移植)ですね。

(2ー1)お医者さんがお仕舞い宣言をしてくれたこと。

IVF-ET(体外受精―胚移植)は大きな朗報ですが、お医者さんからのおしまい宣言がなくなったように思います。ここで悩む方も多いですよね。このお仕舞いの仕方のご相談。実はとても多いです。一緒に一生懸命考えます、考えます。いつも考えています。

(2ー2)決めると言うことの難しさ  

 
おしまいを決めるのも大変ですが、不妊治療をするのかどうかということも決めるのが難しいです。つまり、妊娠なんて出来れば神様が決めてほしいですよね。この部分の相談も多いです。IVF-ETしようか迷っていると。こんな方の背中を今まで何人ボーンと押したことか。そして皆さん、よかった!とおっしゃってくださいます。

(3)泣いたらぽこ、一人産んだらぽこ。

これは、この方の妊娠がいかにストレス状態によって身体が妊娠するための一連のシステムをスムーズに動かすことができずに阻まれていたのかという事実を物語っています。このあたり、鍼灸の得意とするところなんですよ。おいおいお話をしていきましょうね。

泣きはらしたら妊娠の理由

東洋医学では、こんな風に身体を考えるんです。

よく考えてほしいんですけど、こういう風に身体の中に五臓がバラバラにあるのではなくて、生きている人間まるごとそのままをみて、その器質と機能を考えたときにこの図があるのです。そしてその器質と機能のバランスをとり、器のなかでいかに気持ちよく過ごせる身体を作っていくかが治療していくときのテーマです。

この図、一本の木があります。大地にしっかりと根を下ろしていますよね。この大地にしっかりおろした根が「生命力の土台」腎気です。そして土台を根として天地に向かって大きく手を広げる。これが健やかな肝気です。この肝気が蕃りすぎる.鬱滞することをストレス状態というんです。つまり木の枝葉が茂りすぎる状態です。

この枝葉をすっきりさせると、風通しがよくなりますし、木全体が生き生きしますよね。これがストレス状態を緩和させることなんです。

35歳で不妊治療終了といわれた彼女は、いままでモクモクと鬱滞していた心身を泣きはらすことでストレス状態から解き放すことができ、すうっと赤ちゃんが彼女のもとにやってきてくれました。

ストレス状態の解消に泣きはらしたことが役に立ったのです。そして、また鍼灸もこのストレス状態を取り去るのにとても力があります。

妊娠には、このように、しっかりとした土台、暢びやかな心身が必要です。この方の場合は、ストレス状態が不妊を引き起こしていました。また、妊娠には土台の力も必要です。

東洋医学で考える妊娠

【スライドシステムが動くこと】

妊娠というのは、一連のシステムがスムーズにおこることが一番大切です。先に挙げたエピソードでも土台の力はそれなりにあったのに、繁茂する枝葉によって妊娠が碍げられていました。

しっかりした大地に充分に根を張り、天空に向かって暢びやかに手を広げた心身であれば、妊娠、着床のための一連のステップが開かれます。

【着床のための鍼灸治療、できること】

一連のシステムがスムーズに働くために。とくにストレス状態で身体がバリアを作っている状態を取り除く。

システムが躓くのは沢山のステップがあるからです。
IVF-ETの場合は、最後の着床というところが、一番の課題になるかと思います。

着床時には、とくにこの身体の鬱滞を払うのが大切。
土台の力を崩さぬように上手に鬱滞を払うことが私の治療院での鍼灸治療の大きな目的です。