不妊と、不育症(不育症2:ビッグママ治療室での取り組み)

不育症には定義があります(不育症その1を参照して下さい)

着床の時期から、妊娠初期の12週までを特に『血流活性化の必須ゾーン』

子宮のことを東洋医学では女子胞といいます。
この女子胞は、東洋医学で考えるところの五臓(肝心脾肺腎)と深く関係をもっています。
現代医学の内臓と同じ名前ですが、解剖的な意味合いだけでなく、人体の働きや機能を5つに分類したものです。

女子胞は、生命の土台の力である腎気に強く支えられ、気血をめぐらせるコントロールをする肝によって周期性を持ちます。
まず肝と腎との関係が一番大切です。

肝ーのびやかな心身をつくります。人間が、ストレスや気の鬱滞によって、非常に大きく左右されやすいです。
鍼灸が得意とする分野です。

腎ー生命の土台

生命を支える土台としての腎は、卵子をはぐくみ、受精卵を受け止め成長を促し出産までしっかりと胎児を滋養していきます。
鍼灸、ご自宅でのお灸、温灸などがとくに効果があります。
生命の土台の力ですから、簡単には充実させることができませんが、この充実こそが、血流活性化が必要な妊娠初期から12週までの時期を支えます。
12週の時期をこえ、女子胞が、胎とお母さんの身体をしっかりと結びつけてくれてからは、脾胃(胃腸の力)に問題がシフトしていきます。

お身体を拝見していますと、背部腧穴(背中の経穴)の変化がきになります。
脾胃に負担がきつくなり大きく陥凹して手入れの必要を感じさせる場合が多いです。

しっかりと充実した赤ちゃんのために(3000㌘50㎝を目指して)

妊娠の初期(~12週まで)は腎気の充実、下焦の血流確保が一番大切なポイントです。
子宮の中に沢山の存在するというキニノーゲンという物質は、血管新生作用があるとされています。
不育症の理由に血液凝固系の活性化ということにより血栓ができやすいことがあげられていますが、他にこの初期の段階での、キニノーゲンが胎盤形成に重要な役割を果たし、このキニノーゲンに対する抗体が、不育症で初期流産を繰り返す方に高頻度に診られるとされています☆1)。

初期の子宮の血流確保のために、このようなシステムが人間にあることはまことに不思議です
。このキニノーゲンに対する抗体を持つ方は、子宮内の血流が悪く流産につながりやすい。治療法としてヘパリンがあげられています。
また、不育症の問題は、リスク要因であって決定要因ではありません。
こういった要素があっても、何らかの理由で、この時期をすり抜け挙児に致っている方も多いでしょう。

妊娠初期の血流をしっかりと確保し、胎盤が形成させていく時期を助けることで、血流がよくなり、大きな胎盤が作られることが期待されます。
大きな胎盤はしっかりとした赤ちゃんを育んでくれます。
当院で出産なさった方は、3000㌘を充たしてのご出産報告をよくいただきます。
そして、『胎盤が大きいわねえ~』と助産師さんに言われたという私にとって密かに嬉しい報告も多いです。
3000㌘50㎝を目指して頑張りましょう。

☆1)不育症学級 杉俊隆著P47より