この夫リンパ球を使った免疫療法は、私にとって非常に印象的な出来事です。
夫リンパ球による免疫療法について、不育症学級 杉俊隆著 57ページに、二重盲検法によって逆効果であり倫理上許されないという記載があり、完全否定されています。

1980年代に子供を産み、その当時の育児雑誌を読んでいた記憶がある私にって、実はこれはかなり引っかかる記載でした。確か当時のたまごクラブとかプレママなんとかみたいな赤ちゃん欲しい系統雑誌には、この免疫療法の話がお勧め治療法でイラスト入りではっきりと紹介されていた記憶があるのです。
一見すると何をばかなことをというような結果のこの免疫療法ですが、あの優しげであったかいイラストは忘れられない記憶でした。
ふーーんと思っていると、この本の著者である杉先生のブログにこんな記載が!

夫リンパ球を行なった場合の生児獲得率は80.9%であり、一見良好の様ですが、無治療群の88.6%を下回っています。結局、原因不明ではなく、本当に異常のない不育症患者に夫リンパ球を行なっていた事になります。夫リンパ球免疫療法は、輸血なので、感染症などのリスクもあり、抗リン脂質抗体などの自己抗体を誘導するなどの副作用も報告されています。決して安全な治療でもないので、安易に行う事は止めるべきです。

ああ、そういうことなんですねえ。
私は杉先生が、EBMにこだわり、あいまいなままの過剰治療から、無治療でOKなのかを診断するのが役目と強くおっしゃる理由がなんだか私なりにわかったような気がします。

当時のプレママ雑誌には、私よりも少し先に妊娠して出産して(おまけに離婚して、再婚して(^-^;と続きますが)の松田聖子ちゃんが育児の日々を綴っていました。その赤ちゃんは今をときめく神田さやかちゃんです。ああ、チャンづけしちゃうのもあの時代に妊婦をやっていた同年代のよしみということで許して下さいねえ。
聖子ちゃんが、優しく自分のお腹をさすっていた写真が私の記憶にあります。

医学はこうやって、創造され、検証され、否定されたり、改革進歩して歩んでいくのですね。
ただ、一つの物事を紹介する時には、あの記事のふんわりと温かい感情的な取り扱いにちょっと怖いものを感じました。
紹介する人は、この免疫療法を、流産の人を救う救世主と思って紹介したのだと思います。
食事や生活のことで、テレビや雑誌、本、啓もう活動かはどうしても『感情にのせて』人を動かします。その是非を考えちゃいますね。