1.子宮内膜症、卵巣嚢腫(チョコレート嚢胞)子宮筋腫について考えていきましょう

症状がある子宮内膜症、症状はなにもない不妊治療で指摘された子宮内膜症、卵巣嚢腫、チョコレート嚢胞、子宮筋腫(筋層内、粘膜下筋腫などなど)などの婦人科疾患で悩んでいらっしゃる方は多いと思います。

良性疾患とされる子宮内膜症、子宮筋腫ですが、妊娠の希望の有無で治療法がかわります。
また不妊治療の経過によっては手術を先にした方が良いケース、手術をしない方がよいケースもあり、その観点ではドクターによっても様々なご意見の場合もありますので、しっかりとご自身の状況を把握し、選択していく必要があります。

東洋医学では、まるごと一つの身体の中に起きている出来事として捉えます。
子宮内膜症や子宮筋腫はご自身の生命力の過不足から生じ、オ血(内生の邪)となっている場合もあります。
このオケツを力強く取り除いてしまうのが手術などの西洋医学的手法であり、ご自身の生命力を賦活させ不要なものを排除させていく力をつけていくことが東洋医学で応援できることだと思います。
ご自身にとって、一番良い方法を探してゆきましょう。

2.子宮内膜症、子宮筋腫を理解しましょう。

子宮内膜症:なんらかの原因によって、子宮内膜様組織が子宮内膜以外に生じたために、疼痛、不妊などの症状をおこしてくるもの。
子宮筋腫:子宮筋層を構成する平滑筋に発生する良性腫瘍。

子宮内膜症、子宮筋腫共に、エストロゲン依存性の疾患です。
つまり卵巣からの顆粒膜細胞で作られるホルモンであるあり、月経を重ねることによって、症状が増強します。
腹腔内の癒着によっての卵管の動きが悪くなること、卵巣チョコレート嚢胞などと病院で指摘される方も多いでしょう。CA125という腫瘍マーカーも指標にする場合があります。
また無症状であっても、超音波診察(こちらはマレですが)や腹腔鏡などによって、腹膜病変から子宮内膜症による不妊と指摘され体外受精適応という診断を受けた方も
ご相談にいらっしゃりました。

子宮筋腫は超音波検査で指摘されたり、腹部腫瘤が触れたりする場合も多く、また過多月経は一番困った症状ではないかと思います。
貧血のチェックもしっかりとしておいた方がよいと思います。
子宮筋腫と指摘された場合は、どの部位のものかはしっかりと把握しましょう。
筋腫の場合は発生部位によって、小さなものでも重篤な症状になってしまうことがあります。
とくに粘膜下筋腫は要注意です。

治療法は、年齢や症状の度合い、病変の部位、そしてお子さんが欲しいかどうかを総合的に判断するということになるかと思います。
また昨今は手術をしてくれる病院選びという大きな問題もあります。
有名な病院やドクターは長期間の待ちになってしまい、不妊治療中の方など待ちきれないというケースもあるようです。
低用量ピルを用いたり、生理を止めたり、手術を選択したり。手術の場合は妊孕性がどの程度温存できるのかを考えなくてはならないですね。
ただ、妊娠はやってみなければわからないので、なんどか不妊治療をためしてみてということをしてから手術の選択という方がよいかなと思うケースによく遭遇します。

生理があるかぎり症状がすすむ

エストロゲン依存性疾患であるので、月経が始まって10代後半には発生がみられ、性成熟期には憎悪し、閉経期を迎えれば自然と発生が減少します。つまり、もうすぐ月経がなくなってしまえば、大きな手術なども不要なので、閉経逃げ込み療法などという言葉がしめすように、そのばしのぎを重ねて閉経にもちこみ、自然な形で病気と決着をつけるという選択肢もあります。
また、妊娠や出産期間中はエストロゲン分泌が減少するため子宮内膜症は軽減します。
つまり妊娠こそがよい治療法なのですが、その妊娠が難しいというところが悩ましいところです。

不妊と子宮内膜症、筋腫

子宮内膜症やチョコレート嚢胞があっても、また筋腫があっても問題なく妊娠、出産される場合も実は多いのではないかと思います。
ただ、不妊でお悩みの方を診察すると、子宮内膜症や筋腫が指摘され、それらが原因とされるケースが多いですね。

ここが難しいところで、

子宮内膜症が解決すれば、すぐに妊娠出来るのか?  
筋腫をとれば、すぐに妊娠出来るのか?

という質問をすれば、即座にyesとは言い難いのだと思います。

不妊の方がいるー診察をしたら筋腫があるーだから筋腫が原因だ

すごく説明としては納得できるところですが、もしかしたら、他の要因で妊娠が妨げられている方にたまたま筋腫があった場合、筋腫をとっても、本当の原因はそのままで、筋腫の手術のダメージは残ります。

手術後、原因とされる筋腫をとったのになかなか妊娠しないので、病院受診すると、「筋腫の手術のダメージかも」と指摘されガッカリしていた方がいらっしゃりました。確かに難しい問題です。

また年齢が進むことも、病気が進むということと、年齢要因により妊娠する力が低下するという両側面をもつことにもなります。このあたり、女性の人生にとってとても悩ましい問題となるかと思います。

3.-1東洋医学で考える子宮内膜症、筋腫

子宮内膜症や筋腫を東洋医学ではどのように把えるのでしょうか。詳しくは症例に挙げてありますのでそちらをご覧下さい。子宮内膜症や筋腫という病名に対して、様々な東洋医学的な治療方針となります

ポイントは2つです。全身の生命力の問題と、骨盤内の気血循環の問題です。

全身の生命力の問題:腎虚 気虚 風邪の内陥など
骨盤内の気血循環の問題:オケツ 気滞血瘀

症状としては骨盤内の気血循環ですが、その症状をおこしてくる背景に全身的な問題があるということです。
症例でも、腎虚や気虚といった全身的な生命力不足があるがために、骨盤内の気血循環の問題が起こっている症例が多く、ただ単に局所である骨盤内の気血循環だけを問題にしても対処できないといったところが理解されると思います。

つまり、子宮や卵巣の問題だから子宮や卵巣だけを考えてもダメだというところです。

子宮を中心とする月経のリズムは、生命力のある健康な身体が支えているのです。
東洋医学でいう腎虚や気虚、そして風邪の内陥、肝鬱などは身体の気血の流れを悪くし、女性に大切な血の道を乱し、子宮内膜症や筋腫、生理痛などを引き起こし、不妊の原因にもなってきます。

3.-2具体的な症例から考えていきましょう

それでは少し分析的になりますが、一つの症例を具体的に解説させていただきます。

子宮内膜症,排卵痛、生理痛、不妊
http://1gen.jp/1GEN/BENSYO/2711-B1.HTM

こちらの症例では、様々な症状が出現しています。

ひどい生理痛:

 10代後半からのひどい生理痛。年々悪化。
 下腹の渋るような痛み、激痛、頭痛 

高温期からの症状

 排卵痛、だるさ、多夢、朝起きられない、耳がふさがるようなキーンとする耳鳴り、腰痛、
 吐き気 イライラ 情緒不安定さ

これらの症状が排卵期から生理が終わるまで続いています。
症状がないのは生理がおわってから排卵までというほんの短い期間

生理(排卵)を止める治療による副作用

 子宮内膜症の治療の場合は、色々な薬物でのコントロールを行う場合があります。 
この方はピルによる生理のコントロールをして排卵を押さえ子宮内膜症の進行を抑え症状の軽減はかりました。
この方法は副作用が少ないといわれますが、この方にとっては、排卵痛、生理痛は楽になるものの、更年期症状のようなのぼせ、ほてり、動悸、眠れないという 体調不良にみまわれています。

この方を私は様々な症状を分析していきます。
東洋医学では【肝】【心】【脾】【肺】【腎】という5つの大きなカテゴリーで分析します。
また気虚、オケツ、内湿といった概念も用いることがあります。
この症例ではこの方の一番の問題は『腎虚』であると分析していますが、腎虚の要素だけがあるのではなく、様々な要素があり、その上で腎虚の要素が一番の問題点であると考えたわけです。

<弁証論治>
弁証:腎虚
論治:補腎

<治療指針>
まずは腎気をしっかりと立て、下焦の充実を図り、肝鬱腎虚の悪循環を断ち切りたい。そして下焦の気虚気滞からのオ血の生成を食い止めることで内膜症の悪化を防ぎたい。そのために脾気や蓋としての肺気も同時に治療の手を入れた方がいいのではないかと考える。

色々な苦労は続きましたが、無事に妊娠、ご出産となりました。
大変な状況でしたが、頑張って前にすすんだかいがあったと思いました。

4.子宮内膜症、筋腫のセルフケア 

棒灸を使ってしっかりとお腹を温める方法です。
少し手間暇はかかりますが、非常に効果的です。また生理痛、子宮筋腫、不妊症、不育症、着床障害の方にも有効です。

コツ*この棒灸は使いこなすのに少しテクニックが必要です。
一番大事なのは『面であっためるというイメージを持つのではなく、一点をしっかりと温め、その暖かさを奥に押し込んでいく、点がたくさん連なり面となっていく』という感じです。

お腹に暖かいボールが入って、それが持続する感じ。
通常のお灸などとはかなり違う感じを持って頂けると思います。
ここに力が集まりますようにという願いを込めてしっかりと棒灸しましょう。

指導を受けたい方は棒灸指導レッスンを受けた待っておりますので、当院までご相談ください。

棒灸指導レッスン :2回(60分×2)16000円
 棒灸2本を含む。

5.子宮内膜症、子宮筋腫の症例をご紹介します。

半年にわたる鍼灸治療で体調が改善した、子宮内膜症の症例です。
東洋医学的には肝鬱気滞血オでした。
http://1gen.jp/1GEN/BENSYO/2010-B1.HTM(0015)

子宮内膜症の手術から妊娠出産。腎虚を中心とした気虚オケツと身体に冷えの入り込みがあった症例です
http://1gen.jp/1GEN/BENSYO/2408-A1.HTM(0020)

子宮内膜症、手術、IVF25回の採卵をおこなうも妊娠にいたらず。
病院からは卵子提供しか無理と言われていた症例です。無事に妊娠出産なさっています。
http://1gen.jp/1GEN/BENSYO/2306-B1.HTM(0038)

子宮内膜症4期、体外受精のあとに自然妊娠。
子宮頚癌円錐切除し、無事に出産なさった症例です。
http://1gen.jp/1GEN/BENSYO/2306-D1.HTM(0042)

子宮内膜症手術後の不妊 腎の陽虚、冷えの入り込みがありましたが、無事に妊娠出産した症例です
http://1gen.jp/1GEN/BENSYO/2307-A1.HTM(0043)

何度も生理を止めた子宮内膜症 妊娠逆子 44歳で出産した症例です
http://1gen.jp/1GEN/BENSYO/2405-B1.HTM(0096)

チョコレート膿腫、手足の冷え、肩こり、背中、腰の凝りなどの体調不良が多かった症例です。
http://1gen.jp/1GEN/BENSYO/2504-A1.HTM(0110)

背骨が側湾し骨盤のゆがみもあり体力そのものも少し不足ぎみという症例です。
http://1gen.jp/1GEN/BENSYO/2906-D1.HTM(0113)

子宮内膜症の痛みが極度に強く、手術や入院を繰り返している症例です。東洋医学的には腎虚やオケツによるトラブルです。http://www.1gen.jp/1GEN/BENSYO/2503-A1.HTM(0114)

子宮内膜症による生理痛ならびに排卵痛も強く妊娠もなかなか成立しないという腎虚の症例です。
http://1gen.jp/1GEN/BENSYO/2711-B1.HTM(0120)

不妊治療をするものの薬の反応が悪く治療がすすまず。全身の気虚やストレス状態、痩せがあり全身の身体作りから取り組んだ症例です。
http://www.1gen.jp/1GEN/BENSYO/2507-A1.HTM(0123)

子宮内膜症による体調不良が強く、何度も良好な胚盤胞を移植しても妊娠しないという症例です。
http://www.1gen.jp/1GEN/BENSYO/2805-B1.HTM(0140)

子宮筋腫症例

ーーーーーー
頭痛 肩こり 寒がりなどの症状が妊娠中で薬が飲めなくなってしまったことで一気に辛くなってしまった症例です
http://1gen.jp/1GEN/BENSYO/2806-J1.HTM(0170)

アトピーや胸腺腫、子宮筋腫など様々な問題とご自身の体力のなさから身体作りと不妊治療に取り組んだ症例です
http://1gen.jp/1GEN/BENSYO/2806-K1.HTM(0175)